Q.耐熱電線の許容電流
一般に、電線に電流を流すと、温度上昇を伴うのが普通で、これはジュール熱(I2R)が発生するためである。
電線を構成する絶縁体には、それぞれ最高許容温度があるため、電線の種類によって安全に使用できる電流には、おのづから制限がある。
許容電流は、ビニル絶縁電線及び天然ゴム絶縁電線の許容電流が電気設備技術基準によって定められており、これを標準とする。
*電線またはこれを収める金属管などに接触し、または接近する造営材が電線の温度上昇により有害な影響を受けるおそれがなく、かつ、電線管などに人が触れるおそれがない場所、であること。
下記表の数値に、上記計算式で算出した係数を乗ずると、各温度での許容電流値が求められる。
電線を構成する絶縁体には、それぞれ最高許容温度があるため、電線の種類によって安全に使用できる電流には、おのづから制限がある。
絶縁体の連続最高許容温度
電線の許容電流は、絶縁体の連続最高許容温度によって定まる。電線に電流を流したときに発生する発熱温度と周囲温度を加えたものが、最高許容温度を超えてはならない。
1. 一般ビニル 60℃ 2. シリコーンゴム 180℃ 3. ガラス糸(H種塗料を均一に塗布焼付けしたもの) 180℃ 4. ETFE 150℃ 5. FEP 200℃ 6. PFA 260℃
許容電流は、ビニル絶縁電線及び天然ゴム絶縁電線の許容電流が電気設備技術基準によって定められており、これを標準とする。
許容電流の係数の計算式
許容電流の係数の計算式 | |
一般ビニル | ETFE |
シリコーンゴム | FEP |
ガラス糸 | PFA |
下記表の数値に、上記計算式で算出した係数を乗ずると、各温度での許容電流値が求められる。
許容電流 | ||||
導体 | 銅 | ニッケル覆銅線 | ニッケル線 | |
単 線 |
1.0 | 16 | ||
1.2 | 19 | |||
1.6 | 27 | |||
2.0 | 35 | |||
2.6 | 48 | |||
3.2 | 62 | |||
4.0 | 81 | |||
5.0 | 107 | |||
よ り 線 |
0.1 | 4 | ||
0.3 | 7 | |||
0.5 | 10 | 8.8 | 4.3 | |
0.75 | 13 | 11.4 | 5.6 | |
0.9 | 17 | 14.9 | 7.44 | |
1.25 | 19 | 16.7 | 8.31 | |
2.0 | 27 | 23.7 | 11.82 | |
3.5 | 37 | 32.6 | 16.19 | |
5.5 | 49 | 43.1 | 21.45 | |
8.0 | 61 | 53.7 | 28.70 | |
14.0 | 88 | 77.5 | 38.52 | |
22.0 | 115 | 101.3 | 50.33 | |
30.0 | 139 | 122.4 | 60.84 | |
38.0 | 162 | 142.7 | 70.90 | |
50.0 | 190 | 167.4 | 83.16 | |
60.0 | 217 | 191.2 | 94.98 | |
80.0 | 257 | 226.4 | 112.48 | |
100.0 | 298 | 262.6 | 130.43 | |
125.0 | 344 | 303.1 | 150.56 | |
150.0 | 395 | 348.0 | 172.88 | |
200.0 | 469 | 413.3 | 205.27 | |
250.0 | 556 | 489.9 | 243.35 | |
325.0 | 650 |